東北各県の障害児入所施設もしくは障害者支援施設において、保育実習指導を担当している者1名ずつ計6名の実習先の現場指導者のヒアリングを通じて、施設実習を効果的に行うための基礎資料を得ることを目的とし、障害児・者施設を対象に実施したヒアリング調査結果について報告した。各々のヒアリングの記録を基に、SCAT の4ステップコーディングを行い、そこから①ストーリーライン、②理論的記述、③さらに追及すべき点・課題を導いた。障害系施設保育士ヒアリングから見えてきたものとしては、①実習指導者自身が施設保育士の成長物語を述べていて、その経験に裏打ちされた実習指導理念を抱いている。翻意的な側面を否めない。②学生に求めるものは、一般常識と社会人基礎力が備わっていることを前提条件としており、養成校での教育的指導だけで困難さを伴う。③実習指導の実証的根拠、それに基づく実習内容と項目、評価対象と基準を明確化することが必要であるが、実習園と養成校との協働で策定するのが理想であることを報告した。
時本英知・竹之下典祥・石森真由子・細川梢・福田真一・日野さくら・三浦主博