脳機能画像法の発展により、様々な認知機能に対応する脳領域が同定されてきたが、ヒトの嘘に関する神経機構は未解明の部分が残されている。本研究では、健常被験者を対象として、経験した出来事について知らないふりをする嘘と、経験していない出来事について知ったかぶりをする嘘に関与する神経ネットワークの同定を試みた。その結果、どちらの種類の嘘も外側及び内側の前頭前野の賦活が認められたが、前部帯状回とよばれる領域は知らないふりをする嘘で特異的に活動することが示された。
pp.2811-2819
Abe N, Okuda J, Suzuki M, Sasaki H, Matsuda T, Mori E, Tsukada M, Fujii T.