4年生には『動物のからだのはたらき』という単元がある。そこでは人や動物の体には骨や筋肉があり,体を動かすことができるのは,骨,筋肉の働きによることと,関節の存在を学習する。実際の学習では,実物の骨や筋肉を観察することはなく,人については「腕の曲げ伸ばしなどで筋肉が縮む」という実験・観察はするものの,図や映像を活用して学習することが多い。動物においてはウサギやハトなどの動物について骨格図や筋肉の図を使って学習するのみである。
人や動物の体の学習では,やはり本物の筋肉・骨を活用しての学習をしたい。実物には図などからは捉えられない「しくみとはたらき」についての実感と生の迫力がある。人は難しいが,他の動物については筋肉や骨を手に入れることは可能である。なるべく本物を準備しての学習をしたい。本稿はタヌキの骨を活用しての学習方法を提案した論文である。
pp.16-23