学生は小中学校の学習で,地球を公転する月が太陽との位置関係においてどのような形に見えるかを学習してきている。しかし,「夕方,南に見える月の形は?」というような実際に肉眼で見た時の月の形については半数以上の学生は正しく答えることができない。
この問題の解決には,「太陽―自分―月」の三者の位置関係を角度で捉えて日周運動をイメージすることが重要である。自分を中心として新月の時は,太陽と自分と月との角度が0度,半月のときは90度,満月のときは180度である。この3つの角度と,月は太陽側が輝いていることを認識していれば,何時頃にどの方位に月があるかが分かれば,おおよその月の形が分かるのである。このことを学生に理解させるための実践研究を試みた。