臨床美術は、障がいや疾患のあるなしにかかわらず、誰もが表現者となり、創作活動をとおして心の解放と他者との関係性を結ぶアートセラピーである。流動的で不確実な時代の今こそ、臨床美術が担う役割は大きいと考えられる。本書は表現者と臨床美術士によるセッションの様子や、これまでの医療・福祉・教育・企業との連携モデルを紹介している。また、未来に向けて臨床美術の新たな可能性を探るものである。巻頭カラーページには、臨床美術で実践されるアートプログラムの内容とともに、子どもから学生、社会人、シニア世代まで、老若男女の表現者たちの表情や作品が掲載されている。臨床美術、ひいてはアートの力が社会の力になりうることを、よりリアルに伝える構成になっている。