国指定重要文化財「石清水八幡宮文書」の中の未刊史料「當宮縁事抄」について、影印を掲出し、既刊史料と未刊史料の対照をおこない、主に史料の現状、形態、伝来、文書内容に関し、書誌学的な解説を付して、その重要性を論説するものである。本史料の調査・研究によって、石清水八幡宮所蔵史料の新たな史料情報を斯界に提供するとともに、古文書学・文化財学・博物館学・アーカイブズ学などの諸分野にかかわる基盤研究を報告し、これら諸学を総合した協働研究の一助にしたいと考えている。とくに博物館資料論の研究を進展させるために、また古文書学の観点からも、あらためて問題提起するものである。