純水中におけるナノバブルのサイズに依存した合体

これまで我々は、ナノバブルのサイズが100 nm程度になると、同サイズのバルクナノバブル（NB）が優先的に合体することを実験的に明らかにしてきた。この特異なナノバブル合体現象を説明するために、我々はナノ粒子軌道解析を行い、規則正しく並んだナノホールを有する多孔性アルミナ薄膜を加圧することによって生成するバルクNBのサイズ分布プロファイルと時間依存性濃度を決定した。さらに、2つのNBが接触すると反発エネルギーが増加し、NBの運動エネルギーが反発エネルギーに打ち勝ったときに合体が起こるという仮説に基づく物理モデルを提案した。提案モデルを用いて、観測されたNBサイズ分布をシミュレーションした。シミュレーションの結果、観測されたNBサイズ分布とNBの寿命が説明できた。さらに、直径が約100nm以下の小さなNBではNBの合体が抑制され、その結果、寿命が長くなることが示された。