本研究では,最大筋力の発揮できる肢位および再現性の観点から測定肢位を検討した.対象は,健常成人女20名とした。測定肢位は,股・膝関節90度屈曲位,股関節90度屈曲・膝伸展坐位,立位姿勢での足趾把持力を比較した.結果,足趾把持力は,股関節90度屈曲・膝伸展位坐位姿勢が股・膝関節90度屈曲位坐位姿勢,立位姿勢より有意に低値を示した。級内相関係数(1,1)は,股・膝関節90度屈曲位坐位姿勢がr=0.813,股関節90度屈曲・膝伸展位坐位姿勢がr=0.494,立位姿勢がr=0.780であった。足趾把持力測定は,筋力を最大発揮できる肢位および再現性の観点から股・膝関節90度屈曲位坐位姿勢が最も好ましいことが考えられた.
相馬正之、村田伸、甲斐義浩、中江秀幸、佐藤洋介