本研究は寒冷地栽培である石巻産オリーブの品質向上のための基礎データを収集することを目的とし、令和7 年度に生産された石巻産オリーブオイルの品質調査を実施したので報告する。試料は、石巻市網地島で栽培したオリーブオイル2品、北上・大川地区で栽培したオリーブオイル1品の他、比較対象として用いた市販オリーブオイル5 品の計8 品とした。オリーブオイルの品質については、オイルの劣化度合いを示す過酸化物価、酸度、紫外線吸光度を指標として用いた。また、オリーブオイルの特色の一つである総ポリフェノール含量も測定し、比較検討した。過酸化物価、酸度、紫外線吸光度について、石巻産オリーブオイル全てにおいて鮮度が高く、品質に問題は無かった。一方、市販オリーブオイルには劣化の度合いが進んでいるものが認められた。総ポリフェノール含量については、市販オリーブオイルが270 ~430mg/kgであったのに対し、石巻産オリーブオイルは595~698mg/kgと測定され、平均値で約1.9倍多かった。本研究結果は、寒冷地栽培のオリーブから搾油したオリーブオイルとして、初めて品質に関する知見を報告するものであり、オリーブの生産や製品開発に関わる分野において貴重な情報となりうる。