本研究は網地島産オリーブの品質向上のための基礎データを収集することを目的とし、石巻市網地島の耕作放棄地に栽培しているオリーブ3 品種、Mission、Koroneiki、Chetoui について、異なる収穫時期における果実の品質調査を実施した。調査項目はオリーブの果実重、果実表面の色調、総ポリフェノール含量とした。その結果、果実重は9月から11月にかけて増加すること、総ポリフェノール含量は、10月
が最も多かったが、11 月にはMission、Koroneiki共におおよそ半分に減少することが分かり、季節変動することが認められた。果実表面の色調については、9 月、10 月では緑色を維持したが、11 月では緑色が消失し赤色が増加した。以上より、10 月の収穫によって、果実重が小さいものの緑色を呈した総ポリフェノール含量の高い果実を得ることがきた。高品質なオリーブ生産のためには、収穫時期を厳密に設定することが重要であると示され、生産者にとって有意義な情報を提供できるものと期待される。