拡大を続ける現代日本におけるアジア論の地平を、五人の専門の異なる研究者が分担して切り拓く書籍。編著者として、はしがき、第一章を担当。第一章では編著者の萩野が二十一世紀の世界共通課題である認知症問題を切口にアジア的なるものを語り、第二章は東南アジアを専門とする金子から東南アジアに視点をおいたアジアを語る。
第三章では、日本財界と政治との関連を専門とする菊池が日本視点からのアジアを眺望し、第四章では沖縄問題を専門とする星野から日本の中でも異質性を有す沖縄の、琉球の万国津梁の視点からアジア論が説かれる。第五章は唯一の外国人研究者(トルコ)でトゥーラン主義を専門とするシナン・レヴェントから、イラン石油の欧米メジャーを介さない輸入に至る政策過程が詳述される。