東日本大震災発災時の仙台市内の福祉避難所の状況とその後の取り組みについて、運営法人及び職員や利用者に関する調査を行い、福祉避難所の抱える課題などについて分析した。震災前に行政と福祉避難所との運営に関する取り決めでは想定していなかった様々な課題が判明した。福祉避難所では障害がある一人一人の特性をふまえた支援が行われていたが、それだけに支援員の確保が重要になることや福祉避難所退去後の次の生活につなぐための相談機能の重要性などが明確になった。取材した福祉避難所では厚生労働省の災害時の介護員派遣事業を活用するとともに、地域のボランティア、他法人の応援などを得て活動を行っていた。
pp.107-118
阿部 一彦、阿部 利江、渡邉 純一、千葉 伸彦、三浦 剛、広浦 幸一、佐藤 泰伸、高橋 誠一