「非知覚の定義をめぐる問題-『因一滴論』を中心にして-」
非知覚に関する定義とそこで用いられる個々の用語を分析考察した。そして非知覚を証因とする推理はあるものの非存在の確定を目的としているが、非存在の確定は証因としての非知覚の成立時点ですでに成立していること、および非存在の確定は実在の側だけでは成立しえず、認識者の心の様態と関係していることを明らかにした。pp.69-80
『インド哲学仏教学研究』1