「斎宮女御と伊勢物語」
伊勢斎宮譚と称される伊勢物語69段~75段は、縁語等による和歌的修辞から同時期に成立されたものと考えられる。本稿では、これらの章段が形成されていく背後に斎宮女御を取り巻く歌人達、具体的にいえば源順・能宣・兼澄・元輔等の存在があること、ひいては伊勢物語の成立に彼らの存在があることを論じた。
東北福大学紀要第16巻