「源至(伊勢物語39段)攷」
伊勢物語39段に登場する源至は,従来「色好みとしては二流の人物」として評価されてきた。しかし,後世に与えた影響力や、帰化人系の出自・「色好み」と「和歌」との関係等を勘案すると、それが正当な評価とはいえないことが明らかとなる。本稿では、源至の色好み評が「色好み」と「和歌」とが不可分の関係にある時代の評価であったことを論じた。
國學院大學大学院紀要代13輯